個人事業主が地域社会で長く続くお店にするための戦略

独立開業を考えている方から物件探しのご相談をいただく中で、私がいつも考えることがあります。

それは、**「お店をオープンすることがゴールではない」**ということです。

良い物件を見つけて、内装工事をして、無事にオープンする。

もちろん、それも大切です。

しかし、本当に大切なのは、その地域で5年、10年と商売を続けていくことではないでしょうか。

これまで多くの独立開業に携わり、長く続いているお店を見てきた中で、私なりに感じていることがあります。

今回は、個人事業主が地域社会で長く続くお店になるために大切だと思うことを考えてみたいと思います。

まずは「固定費を抑える」

独立開業するとき、どうしても「良い場所で商売をしたい」と考えます。

駅前、人通りの多い場所、大通り沿いなど、立地条件の良い物件には確かに魅力があります。

しかし、その分、家賃が高くなることもあります。

個人事業主にとって、毎月必ず支払わなければならない固定費は大きな負担です。

そのため私は、単純に「一番目立つ物件」を探すのではなく、

その事業が無理なく続けられる家賃なのか

ということも非常に大切だと考えています。

また、人件費についても同じです。

最初から多くのスタッフを雇うのではなく、業種によっては夫婦で営業したり、ワンオペでスタートしたりする方法もあります。

売上が好調な月だけでなく、売上が少ない月でも事業を続けられる。

まずは、そんな「潰れにくい店」をつくることが大切ではないでしょうか。

「この店に行く理由」をつくる

次に重要なのが、お客様がそのお店を選ぶ理由です。

個人店が大手企業と同じことをして、価格だけで競争するのは簡単ではありません。

だからこそ、

「これならこの店」

というオンリーワンを目指すことも一つの方法だと思います。

ニッチな分野に特化した商品やサービスを提供する。

他ではなかなか手に入らない商品を扱う。

特定のお客様にとって、とても価値のあるサービスを提供する。

このような方法です。

一方で、必ずしも珍しい商品やサービスである必要はありません。

例えばパン屋さんなら、

「毎朝ここのパンを買う」

という日常生活の一部になることもできます。

飲食店なら、

「週末になったら家族でここへ食べに行こう」

というご褒美のような存在になることもできます。

大切なのは、新しいお客様を追い続けるだけではなく、

一度来ていただいたお客様に、もう一度来ていただく理由をつくること。

地域で商売を続けるうえで、リピーターの存在は非常に大きいと思います。

SNSは「バズる」ことだけが目的ではない

今の時代、個人店にとってSNSは非常に重要な情報発信手段です。

Instagram、X、Threads、Googleビジネスプロフィールなど、無料または比較的少ない費用でお店の情報を届けることができます。

ただ、私は個人店の場合、必ずしも全国的にバズる必要はないと思っています。

SNSで話題になり、遠方から一度来店していただくことにも価値はあります。

しかし、地域で長く商売を続けるという観点から考えると、

近所の方に知っていただくことの方が重要ではないでしょうか。

近所の方がSNSを見て、

「こんなお店が近くにあったんだ」

と来店してくださる。

そこで商品やサービスを気に入っていただければ、また来ていただける可能性があります。

そして、その方が家族や友人に紹介してくださるかもしれません。

私が長く続いているお店のSNSを見て感じるのは、無理にバズらせようとしているというより、

「本当に良いものを地域の方へ届けたい」

というメッセージが伝わってくるお店が多いことです。

フォロワー数だけを追いかけるのではなく、

実際にお店へ来ることのできる地域の方にファンになっていただく。

地域密着のお店にとって、SNSはそのための道具として使うのも良いのではないでしょうか。

最後は「店主の人柄」

そして、私が非常に重要だと思っているのが店主の人柄です。

例えば美容室。

技術が高いことはもちろん重要です。

町中華のお店なら、料理がおいしいことも当然大切です。

しかし、同じような技術や商品、サービスを提供するお店がいくつもあった場合、

「誰からサービスを受けたいか」

ということも、お店を選ぶ理由になるのではないでしょうか。

例えば、次に来店したときに顔を覚えてくれている。

「前回これを注文されていましたよね。今日も同じものにされますか?」

と声をかけてもらう。

店を出るときに、

「いってらっしゃい」

と送り出してもらう。

ほんの小さなことかもしれません。

しかし、その小さな心遣いの積み重ねから、

「またこの店に来よう」

「この人から買いたい」

という気持ちが生まれるのではないでしょうか。

そして、その先には、

「この店を応援したい」

という気持ちが生まれることもあります。

AIや機械が進化しても、人の温かさは変わらない

これからAIや機械は、さらに進化していくと思います。

予約、注文、会計、問い合わせ対応など、これまで人が行っていた仕事の多くをAIや機械が担うようになるかもしれません。

それによって業務を効率化し、個人店の負担を減らすことは大いに活用すれば良いと思います。

しかし、どれだけ技術が進歩しても、

人の温かさや人情までなくなるわけではない

と私は思っています。

「顔を覚えてくれていた」

「いつも声をかけてくれる」

「自分のことを大切なお客様として扱ってくれた」

こうした体験は、人だからこそ生まれるものです。

むしろAIや機械が当たり前になる時代だからこそ、人と人とのつながりが個人店の大きな価値になっていくのかもしれません。

地域で長く続く店とは

私は、地域で長く続くお店とは、

「たくさんの人に一度来てもらう店」ではなく、「地域の人に何度も来てもらい、応援してもらえる店」

なのではないかと思っています。

そのためには、

固定費を抑え、無理なく続けられる経営をする。

「この店に行きたい」という理由をつくる。

SNSを使って地域の方へ丁寧に情報を届ける。

そして、目の前のお客様を大切にする。

一つひとつは、とても地道なことです。

しかし、その積み重ねが5年、10年と地域で必要とされるお店につながっていくのではないでしょうか。

物件選びの段階から「長く続けられるか」を考える

エンラージ株式会社では、枚方市・寝屋川市・交野市・八幡市を中心に、独立開業を目指す方の店舗・テナント探しをお手伝いしています。

私たちが考える物件探しは、

「この物件を借りられるか」だけではありません。

家賃はいくらなのか。

必要な内装工事はいくらかかるのか。

どのくらいのお客様に来ていただく必要があるのか。

その場所で無理なく商売を続けられるのか。

開業した後のことまで考えながら、一緒に物件を探すことを大切にしています。

独立開業を考え始めたばかりで、

「まだ具体的な物件を探す段階ではない」

という方でも構いません。

どんなお店をつくりたいのか。

どんな地域のお客様に来ていただきたいのか。

そんなところから、一緒に考えていければと思います。

たかにゃんからの一言

独立開業では、オープンする瞬間にどうしても目が向きます。

しかし、本当のスタートはオープンしてからです。

私は不動産会社として物件をご紹介していますが、契約していただくことだけが目的ではありません。

その場所で商売を続け、お客様が増え、地域の方から「この店があって良かった」と思っていただける。

そんなお店になっていただくことが一番うれしいです。

AIや機械がどれだけ進化しても、人の温かさや人情は変わらないと思っています。

だからこそ、個人店にはまだまだ大きな可能性があります。

地域の方を大切にし、地域の方から大切にされるお店をつくる。

これが、長く商売を続ける一番の近道なのではないでしょうか。

コメント

Fudousan Plugin Ver.1.7.0
Top
タイトルとURLをコピーしました