〜物価高・人件費高時代を「独自性」と「共感」で乗り越える〜
飲食業界はいま、大きな変化の波にさらされています。材料費、光熱費、人件費の高騰といった課題に加え、客数や客単価の減少、ライフスタイルの変化も重なり、特に中小零細や個人経営の飲食店にとっては非常に厳しい状況です。
さらにここ、大阪府枚方市は、大阪市や京都市のような観光都市ではなく、通勤・通学圏としての「ベッドタウン」。インバウンドの恩恵も少なく、日々の生活の中で選ばれるお店でなければ、厳しい競争には勝ち残れません。
そんな時代でも、たとえ小さくても、個性と信念をもった飲食店はしっかりと生き残っていけます。そのための具体的な戦略をここでお伝えします。
1. “唯一無二”の個性が生き残りの鍵。価格競争ではなく「体験」で勝つ
値段で勝負しようとすれば、大手チェーンには到底かないません。だからこそ、**あの店じゃないとダメ、という理由=“独自性”**を磨くことが最も重要です。
たとえば…
• 毎朝市場に直接仕入れに行き、目利きで選んだ旬の魚介を使う
• 自家農園や貸し農園で野菜を栽培し、メニューに活かしている
• 音楽の生演奏が流れる、五感で癒されるカフェ
• 自家焙煎の豆を使ったこだわりのコーヒーと、店主手作りスイーツ
• 店主が語る「今日の一皿」にストーリーがある料理
こうした「このお店にしかない体験」は、どんな時代にもファンを生みます。
そしてなにより大切なのは、「流行に流されないこと」。
大手チェーンのスタイルやSNS映えするメニューを真似しても、見た目だけで終わってしまいます。流行より、自分たちの“想い”と“信念”を軸にするお店は、時代が変わっても生き残ります。
2. 地域とつながる。枚方で選ばれるお店は「人」でできている
観光地ではなくベッドタウンである枚方市では、「その街で暮らす人の日常」に入り込むことが重要です。
つまり、地域の中で信頼を築き、「あそこ行こう」「あの店、知ってる?」と、口コミで選ばれる存在になることが求められます。
• 地元の学校、商店街、地域イベントとの連携
• 子どもたちの絵や写真を飾る「地域参加型の内装」
• お年寄りに優しいメニュー・店づくり
• 店主やスタッフの顔が見えるSNS発信
とくにSNSは、「売り込む」ためでなく、「共感を得る」ためのツールとして使いましょう。
お店づくりや商品に込めた思いを共感してくださる方に向けて、密な情報発信を。
投稿ひとつ、ストーリーひとつから、「その想いに共感して応援したくなった」というお客様が増えれば、それが何よりの集客に繋がります。
3. 「また来たい」理由を生む。リピーターづくりの仕掛け
物価高の影響で外食の回数が減る今、単価を上げて一発勝負をするのではなく、何度も来てもらえる工夫が重要です。
• スタンプカードや回数券
• 「今日のおすすめ」を毎週変えるなど、変化のあるメニュー構成
• 一人客、子ども連れ、年配の方などに合わせた接客・空間づくり
• 「あなたのために」という手書きの一言や小さなおまけ
小さな心配りが、記憶に残る体験となり、「また行こう」「友達にも教えよう」と広がっていきます。
4. 仕入れを“任せない”。作る・探す・つながるで原価対策を
原材料費の高騰には、経営者の創意工夫で立ち向かうしかありません。
たとえば、
• 貸農園や自宅での家庭菜園を導入し、一部食材を自家生産
• 市場や生産者へ直接出向いてのダイレクト仕入れ
• 地元農家との連携による旬の素材の活用
• 同じ食材でも、部位や加工の工夫で「違う料理」に変える
「作る・探す・つながる」ことで、仕入れに頼り切らず、食材にストーリーを持たせることが可能になります。それは同時に、料理の魅力にも直結します。
5. 人が人を呼ぶ。アルバイト・社員育成が地域社会への貢献になる
無機質なセルフ注文や券売機の店舗が増える中で、「人と人との関係性」が希薄になりつつあります。しかし、地域密着型の飲食店にとっては、元気で感じの良いスタッフが最大の魅力です。
だからこそ、アルバイトや社員への教育や育成に力を入れることが、最終的には地域貢献・社会貢献にもつながるのです。
• 接客マナーや料理技術だけでなく、人としての成長をサポート
• 飲食業に興味のある若者に「学びの場」としての店舗運営
• SNSなどで「働く人」を紹介し、店の温かさ・リアルな雰囲気を発信
結果的に、スタッフにも誇りとやりがいが生まれ、お客様にも「応援したい」「また行きたい」という気持ちが芽生えます。
「このお店は、料理だけじゃなくて、働いている人も素敵だよね」
そんなお声が増えたとき、お店はただの飲食店を超え、「地域の宝」となっているはずです。
まとめ:大手に真似できない価値を、地域の中で輝かせよう
観光地でなくても、通り沿いでなくても、SNS映えしなくても――
たったひとつ、「そのお店にしかない価値」があれば、飲食店は生き残っていけます。
それは決して派手さではありません。
• 素材と向き合う真剣さ
• 地域に寄り添う優しさ
• お客様と心を通わせる温かさ
• 働く人を育てる覚悟
この4つの軸を大切にすれば、小さくても、唯一無二のお店になれるはずです。
今こそ、「流行」ではなく、「想い」と「個性」で勝負する時代。
あなたのお店のファンは、きっと目の前にいます。
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