最近、ニュースやインターネットでAIという言葉を目にしない日はないほど、私たちの身近な存在になってきました。
一方で、小規模事業者の経営者の方の中には、「AIを使ってみたいけれど、何から始めればよいかわからない」「うちのような小さな会社には関係ない」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は、むしろ小さな会社だからこそ、AIを活用する価値が大きいと感じています。当社エンラージ株式会社でもAIを導入していますが、私にとっては、まさに革命ともいえる変化でした。
ただし、AIを導入すれば何でも解決するわけではありません。今回は、当社での実体験も交えながら、小規模事業者がAIを活用するための第一歩についてお話ししたいと思います。
まずは、日々の仕事を棚卸ししてみませんか?
AIを導入する前に、まず取り組んでいただきたいことがあります。それは、現在行っている業務をすべて書き出してみることです。
毎日のメール対応、資料作成、見積書の作成、顧客管理、経理、広告宣伝、SNSへの投稿など。経営者自身の仕事だけでなく、スタッフが担当している業務についても、できるだけ細かく書き出してみます。そして、それぞれの業務にどれくらい時間を使っているのかを確認します。
こうして仕事を見える化すると、これまで当たり前のように行っていた業務の中にも、改善できる部分が見えてくるのではないでしょうか。例えば、同じ情報を何度も入力していたり、毎回似たような文章を一から作成していたりすることもあると思います。中には、そもそもその業務を続ける必要があるのか、見直した方がよいものもあるかもしれません。
まずは仕事を整理する。そのうえで、AIを活用できる部分を探す。私は、この順番が大切だと考えています。
AIに任せる仕事、人が担う仕事を分ける
業務を棚卸ししたら、次は仕事を仕分けしてみます。例えば、文章の下書きや添削、情報の整理、データの集計、資料のたたき台の作成などは、AIが得意とする分野です。
一方、お客様との信頼関係を築くことや、相手の気持ちを汲み取った対応、現場の状況を踏まえた判断などは、人が担うべき大切な仕事だと思います。
もちろん、すべての業務をAIか人間かの二つに分ける必要はありません。AIに下準備を手伝ってもらい、最後は人が確認して判断する。そのような役割分担ができる仕事も数多くあります。
大切なのは、AIに何でも任せることではなく、AIと人、それぞれの得意なことを生かすことではないでしょうか。
エンラージにとって、AIの導入は革命でした
ここからは、当社で実際にAIを活用している業務についてご紹介します。
メールの添削で、伝え方が変わりました
私がAIを使って良かったと感じていることの一つが、メールやLINEの文章の添削です。仕事では、相手にお願いをしたり、お断りをしたり、ときには言いにくいことを伝えなければならない場面があります。
こちらの意図は正しくても、言葉の選び方によっては相手に不快な思いをさせてしまうこともあります。そんなとき、AIに文章を確認してもらうことで、角が立たない表現や、こちらのニュアンスが伝わりやすい言い回しを考えられるようになりました。
ただ丁寧な文章にするだけではなく、相手との関係性や、そのときの状況に合わせて表現を調整できる点が非常に助かっています。
売却査定書の作成時間を大幅に短縮
不動産会社である当社では、不動産の売却査定書を作成する機会があります。これまでは、周辺の成約事例や現在販売されている物件の情報を整理し、比較しながら査定報告書にまとめる作業に多くの時間がかかっていました。
現在は、必要な資料をAIに読み込ませ、当社の査定方針や考え方を伝えることで、報告書のたたき台を短時間で作成できるようになりました。もちろん、AIが提示した内容をそのまま採用するわけではありません。
物件ごとの事情や現地の状況を踏まえ、価格の妥当性を判断するのは私たち不動産会社の仕事です。それでも、資料を整理して文章にまとめる時間が大幅に減ったことは、非常に大きな変化でした。
ブログの編集では、考えを深掘りできるようになりました
このブログの編集にもAIを活用しています。私自身が経験したことや感じたことを文章にし、それをAIと一緒に整理していきます。
その過程で、「なぜそう思ったのか」「ほかに伝えておいた方がよいことはないか」といったやり取りを重ねることがあります。いわゆる「壁打ち」です。
一人で文章を書いていると気づかなかった視点が見えてきたり、自分の考えをさらに掘り下げられたりすることがあります。私が経験したことや伝えたいことが記事の中心であることは変わりません。AIは、それを読み手に伝わりやすく整理するための編集パートナーのような存在です。
経営数値の分析にも活用できます
売上や経費などの数字を整理し、経営上の課題を見つけることにもAIを活用できます。例えば、事業ごとの売上を比較して、どの分野が伸びているのか、反対にどの分野に課題があるのかを整理することができます。
数字をただ眺めるだけでなく、そこから何を改善すべきかを考える材料が得られるのです。ただし、AIの分析結果が必ず正しいとは限りません。元となる数字を確認し、最終的な経営判断は自分自身で行う必要があります。
飲食店や物販店でも、AIを活用できる仕事はたくさんあります
AIの活用は、不動産業に限った話ではありません。例えば、飲食店なら新メニューの紹介文やチラシ、SNSの投稿文、キャンペーンの企画など。物販店なら商品の紹介文、店頭POP、広告のデザイン案などにも活用できます。
これまで外部の制作会社などに依頼していた仕事の一部を、自分たちで行えるようになる可能性があります。実際、AIが作成する文章や画像について、以前は違和感を覚えることもありました。しかし、技術の進歩とともに、その精度は少しずつ向上していると感じます。
もちろん、誤字や不自然な表現、商品の実物と異なる画像が含まれることもありますので、最終的な確認は必要です。また、専門性の高い広告や大規模な制作では、プロの力を借りた方がよい場合もあります。
それでも、これまで外注するしかなかった仕事の一部を、自社でできるようになったことは、小規模事業者にとって大きな可能性ではないでしょうか。
少人数でも、より多くの仕事に対応できる会社へ
当社では今後、物件情報の入力や整理などにもAIを活用できないかと考えています。不動産会社では、物件情報を複数の媒体に入力したり、募集条件の変更に合わせて情報を更新したりする作業が発生します。
こうした業務を効率化できれば、スタッフの負担を減らし、少人数でもより多くの仕事に対応できるようになると思います。ただし、AIに入力作業を任せる場合でも、募集条件の誤りや情報の更新漏れがないよう、人による確認は欠かせません。
私は、AIをうまく活用することで、少数精鋭の会社が持つ力を、さらに高められると信じています。人手不足に悩む小規模事業者にとっても、一つの有効な対策になるのではないでしょうか。
AIと一緒にラジオを配信する時代に
もう一つ、私自身がAIの可能性を強く感じていることがあります。それは、AIアシスタントと一緒にラジオ番組を配信していることです。
当社では現在、「えんラジオ」という番組で、AIアシスタントと会話をしながら情報を発信しています。AIと話しながらラジオを進める。少し前の私には想像もしていなかったことですが、今では実際に取り組んでいます。
AIは事務作業を効率化するだけのものではなく、アイデアを出し合ったり、新しいことに挑戦したりするパートナーにもなり得るのだと感じています。私にとっては、これも一つの革命です。
AIで生まれた時間を、人のために使いたい
ここまでAIの便利さについてお話ししてきましたが、私が最も大切だと考えていることがあります。それは、AIによって生まれた時間を、何に使うのかということです。
私自身は、事務作業に費やしていた時間を、お客様との面談やスタッフとのコミュニケーションに充てていきたいと考えています。
お客様の話をじっくり伺い、その方に合った提案を考える。スタッフと話す時間を増やし、仕事で困っていることや改善できることを一緒に考える。こうした時間は、会社にとって非常に大切なものです。
AIが進化しても、人と人との信頼関係や、相手を思いやる気持ちの大切さは変わらないと思います。むしろ、AIによって業務を効率化できるからこそ、人にしかできない仕事を、これまで以上に大切にできるのではないでしょうか。
まずは一つの仕事から始めてみませんか?
AIを活用するために、最初から大きな投資をする必要はありません。まずは日々の仕事を書き出し、時間がかかっている業務や、繰り返し行っている業務を見つけてみる。そして、その中の一つをAIに手伝ってもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。
使ってみて便利だと感じれば、少しずつ活用する範囲を広げていけばよいと思います。顧客情報や機密資料の取り扱いには十分注意し、AIが作成した内容は必ず確認することも大切です。
AIを使うこと自体が目的ではありません。限られた人員と時間の中で、どの仕事に力を注ぐべきなのかを考えること。そして、AIに手伝ってもらえる仕事は任せ、人にしかできない仕事に、もっと時間を使うこと。
それが、私の考える小規模事業者のAI活用です。小さな会社だからこそ、変化に柔軟に対応できることもあると思います。まずは自社の仕事の棚卸しから、一緒に始めてみませんか。
エンラージ株式会社
大阪府枚方市伊加賀本町10-8
https://en-large.co.jp

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