～枚方市の個人事業主の視点で～
皆さまこんにちは。
エンラージ株式会社の上領貴文です。
今日は、関西にとって非常に大きなニュース、「大阪IR（統合型リゾート）」の2030年開業予定について、枚方市でお店を営む個人事業主の視点から、少し考えてみたいと思います。
大阪IRとは？
大阪IRは、カジノを含む大型の統合型リゾート施設であり、ホテル、商業施設、会議場、エンターテインメント施設などを一体化させた巨大な開発プロジェクトです。
大阪市夢洲（ゆめしま）を中心に開発が進められ、外資系企業と日本の企業が連携して進める形になっています。
2030年の開業を目指しており、計画が現実味を帯びるにつれ、大阪全体、ひいては関西経済への影響が確実に広がっていくでしょう。
期待されるメリット
大阪IRが開業すれば、まず確実に「訪日外国人観光客」が大幅に増えます。
現在でも大阪市内では、道頓堀や心斎橋などを中心に、外国人観光客で賑わっていますが、IR開業によってさらにその数は増えると見込まれています。
これによって考えられるメリットは次の通りです。
1. 賃金の上昇と雇用の増加
観光関連産業（ホテル、飲食、小売、交通、エンタメ）を中心に人手需要が高まり、これまで以上に働き口が増えます。
また、求人が増えることで賃金も上昇しやすくなり、地域全体の所得向上にもつながる可能性があります。
2. 売上の向上
訪日外国人によるインバウンド需要を取り込めれば、飲食店、小売店、観光業者などの売上増加が期待できます。
海外では物価が高いため、日本の「少し高め」の価格設定でも、観光客には十分リーズナブルに感じてもらえます。
実際、黒門市場などでは「観光地価格」で高単価な商売が成り立っている例もあります。
3. 新しいビジネスチャンス
訪日観光客向けのサービスや商品、あるいは外国語対応など、これまでにない分野でのビジネスチャンスが拡がります。
これをうまく活かすことができれば、小規模な事業者でも成長のチャンスを掴めるでしょう。
予想されるデメリット
しかし、手放しで喜んでばかりはいられません。
大阪IR開業によって起こりうるデメリットも、冷静に見つめる必要があります。
1. 人手不足の深刻化
すでに大阪では飲食業界を中心に人手不足が問題となっています。
今後さらに求人が増えれば、人材確保が一層厳しくなり、採用コストや賃金の上昇に直面するでしょう。
2. 固定費の上昇
人件費だけでなく、家賃、光熱費、原材料費なども上昇する可能性が高いです。
特に商業地や人気エリアでは賃料の高騰が懸念されます。
3. 生活費の上昇とインフレ
大阪市内だけでなく、周辺エリアにも物価上昇の波は広がるでしょう。
これにより、生活コストが上がり、消費者の財布の紐が締まるリスクもあります。
枚方市の個人事業主の視点で
ここで、枚方市でお店を営む立場から、少し視野を広げてみたいと思います。
枚方市は大阪市中心部から少し離れているとはいえ、十分に経済圏内です。
インバウンド需要が爆発する大阪市内に比べ、直接的な恩恵は受けにくいかもしれません。
しかし、物価や賃金の上昇といった「デメリット」だけは波及してくる可能性が高いです。
デメリットだけを受けないために
枚方市の個人事業主がこれから生き残っていくためには、ただ受け身でいるだけでは厳しいでしょう。
次の2つを意識することが重要だと私は考えます。
1. 固定費の上昇を見据えた経営計画
・賃上げに備えた原価率の見直し
・家賃が上がった場合に備えたコスト分析
・人手不足対策として業務の効率化、IT活用
・無駄な経費の見直しと削減
今から「もしもの時」に備え、固定費増加に耐えうる体制を作っておくべきです。
2. インバウンド需要を積極的に取り込む
・簡単な外国語対応（英語・中国語など）
・外国人向けのメニューやサービスの導入
・GoogleマップやSNSでの情報発信強化
わざわざ大阪市内まで行かずとも、枚方市で日本らしい体験ができるなら、外国人観光客は訪れてくれるかもしれません。
また、将来的には「京阪沿線での滞在型観光」なども流行る可能性があり、そのときに備えておくことも大切です。
まとめ
大阪IR開業は、関西経済にとって間違いなく大きな追い風となるでしょう。
しかし、そこにただ流されるのではなく、自分たちでメリットを取りに行く覚悟が必要です。
固定費の上昇リスクを見据えた堅実な経営と、積極的なインバウンド対応。
この2つを軸に、たとえ小さなお店でもしっかりと時代の波に乗っていきたいですね。
たかが5年、されど5年。
今からしっかり準備して、大阪IR開業の恩恵を自らの力で掴み取りましょう！
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